日米租税条約第十一条
1 一方の締約国内において生じ、他方の締約国の居住者に支払われる利子に対しては、当該他方の締約国において租税を課することができる。
2 1の利子に対しては、当該利子が生じた締約国においても、当該締約国の法令に従って租税を課することができる。その租税の額は、当該利子の受益者が他方の締約国の居住者である場合には、当該利子の額の十パーセントを超えないものとする。
3 2の規定にかかわらず、一方の締約国内において生ずる利子であって、次のいずれかの場合に該当するものについては、他方の締約国においてのみ租税を課することができる。
(a)当該利子の受益者が、当該他方の締約国、当該他方の締約国の地方政府若しくは地方公共団体、当該他方の締約国の中央銀行又は当該他方の締約国が全面的に所有する機関である場合
(b)当該利子の受益者が当該他方の締約国の居住者であって、当該利子が、当該他方の締約国の政府、当該他方の締約国の地方政府若しくは地方公共団体、当該他方の締約国の中央銀行又は当該他方の締約国が全面的に所有する機関によって保証された債権、これらによって保険の引受けが行われた債権又はこれらによる間接融資に係る債権に関して支払われる場合
(c)当該利子の受益者が、次のいずれかに該当する当該他方の締約国の居住者である場合
(i)銀行(投資銀行を含む。)
(ii)保険会社
(iii)登録を受けた証券会社
(iv) (i)から(iii)までに掲げるもの以外の企業で、当該利子の支払が行われる課税年度の直前の三課税年度において、その負債の五十パーセントを超える部分が金融市場における債券の発行又は有利子預金から成り、かつ、その資産の五十パーセントを超える部分が当該居住者と第九条1(a)又は(b)にいう関係を有しない者に対する信用に係る債権から成るもの
(d)当該利子の受益者が当該他方の締約国の居住者である年金基金であって、当該利子が、当該年金基金が直接又は間接に事業を遂行することにより取得されたものでない場合
(e)当該利子の受益者が当該他方の締約国の居住者であって、当該利子が、当該他方の締約国の居住者により行われる信用供与による設備又は物品の販売の一環として生ずる債権に関して支払われる場合
4 3の規定の適用上、「中央銀行」及び「締約国が全面的に所有する機関」とは、次のものをいう。
(a)日本国については、
(i)日本銀行
(ii)国際協力銀行
(iii)独立行政法人日本貿易保険
(iv)日本国が資本の全部を所有するその他の類似の機関で両締約国の政府が外交上の公文の交換により随時合意するもの
(b)合衆国については、
(i)連邦準備銀行
(ii)合衆国輸出入銀行
(iii)海外民間投資公社
(iv)合衆国が資本の全部を所有するその他の類似の機関で両締約国の政府が外交上の公文の交換により随時合意するもの
5 この条において、「利子」とは、すべての種類の信用に係る債権(担保の有無及び債務者の利得の分配を受ける権利の有無を問わない。)から生じた所得、特に、公債、債券又は社債から生じた所得(公債、債券又は社債の割増金及び賞金を含む。)及びその他の所得で当該所得が生じた締約国の租税に関する法令上貸付金から生じた所得と同様に取り扱われるものをいう。前条で取り扱われる所得は、この条約の適用上利子には該当しない。
6 1から3までの規定は、一方の締約国の居住者である利子の受益者が、当該利子の生じた他方の締約国内において当該他方の締約国内にある恒久的施設を通じて事業を行う場合において、当該利子の支払の基因となった債権が当該恒久的施設と実質的な関連を有するものであるときは、適用しない。この場合には、第七条の規定を適用する。
7 利子は、その支払者が一方の締約国の居住者である場合には、当該一方の締約国内において生じたものとされる。ただし、利子の支払者(いずれかの締約国の居住者であるか否かを問わない。)が、その者が居住者とされる国以外の国に恒久的施設を有する場合において、当該利子の支払の基因となった債務が当該恒久的施設について生じ、かつ、当該利子が当該恒久的施設によって負担されるものであるときは、次に定めるところによる。
(a)当該恒久的施設が一方の締約国内にある場合には、当該利子は、当該一方の締約国内において生じたものとされる。
(b)当該恒久的施設が両締約国以外の国にある場合には、当該利子は、いずれの締約国内においても生じなかったものとされる。
8 利子の支払の基因となった債権について考慮した場合において、利子の支払者と受益者との間又はその双方と第三者との間の特別の関係により、当該利子の額が、その関係がないとしたならば支払者及び受益者が合意したとみられる額を超えるときは、この条の規定は、その合意したとみられる額についてのみ適用する。この場合には、支払われた額のうち当該超過分に対しては、当該利子の生じた締約国において当該超過分の額の五パーセントを超えない額の租税を課することができる。
9 2及び3の規定にかかわらず、一方の締約国は、不動産により担保された債権又はその他の資産の流動化を行うための団体の持分に関して支払われる利子の額のうち、当該一方の締約国の法令で規定されている比較可能な債券の利子の額を超える部分については、当該一方の締約国の法令に従って租税を課することができる。
10 一方の締約国の居住者である法人の所得のうち次の(a)又は(b)に該当するものの金額の計算上控除することができる利子の額が、他方の締約国内にある当該法人の恒久的施設により支払われる利子の額又は他方の締約国内に存在する不動産により担保された債務に関して支払われる利子の額を超える場合には、当該超過分の額は、当該他方の締約国内において生じ、かつ、当該一方の締約国の居住者が受益者である利子とみなされる。そのみなされた利子に対しては、当該法人が当該他方の締約国において租税が免除される3(a)から(e)までに規定する者に該当する場合を除くほか、当該他方の締約国において、2に規定する率を超えない率により租税を課することができる。
(a)当該恒久的施設に帰せられるもの
(b)第六条又は第十三条1若しくは2の規定に従って当該他方の締約国において租税を課されるもの
11 一方の締約国の居住者がある債権に関して他方の締約国の居住者から利子の支払を受ける場合において、次の(a)及び(b)に該当する者が当該債権と同等の債権を当該一方の締約国の居住者に対して有していないとしたならば、当該一方の締約国の居住者が当該利子の支払の基因となる債権を取得することはなかったであろうと認められるときは、当該一方の締約国の居住者は、当該利子の受益者とはされない。
(a)当該他方の締約国内において生ずる利子に関し、当該一方の締約国の居住者に対してこの条約により認められる特典と同等の又はそのような特典よりも有利な特典を受ける権利を有しないこと。
(b)いずれの締約国の居住者でもないこと。